歯と身体の結びつきを探る
2023/06/28
お口の環境が全身の健康に影響を与える事は周知の事実ですが、実際に歯と身体の健康にはどのような関係があるのでしょうか。最近では歯科医師や医師の間でも、歯と全身疾患の関係性が注目されています。本稿では、歯と身体の結びつきを探り、その重要性を考えていきたいと思います。
目次
口腔の健康が身体にもたらす影響
人間の身体は複雑な仕組みで構成されています。そのため、一部の不調が身体全体に影響を及ぼすことがあります。歯科医師としての観点から、歯と身体の関係性について解説します。 まず、口腔内に存在する細菌は口の中だけに留まるものではありません。炎症や感染を引き起こす細菌は、口から身体の内部に入り込んで悪影響を及ぼす場合があります。例えば、歯周病は心臓病や糖尿病、脳卒中やアルツハイマー病など、様々な疾患に関係しているとされています。歯周病の原因菌が、全身の炎症反応を引き起こすことが原因と考えられているのです。
身体の疾患が歯に及ぼす影響
一方で、身体の疾患が歯に影響を与えることもあります。糖尿病や高血圧、変形性関節症など、全身の疾患が歯周病の原因になることがあります。例えば、糖尿病患者は免疫力が低下しており、歯周病に罹患しやすいとされています。また、変形性関節症の人は噛む力が弱くなっており、歯の磨耗が進んだり、咬み合わせの異常が起こったりすることがあります。
歯の治療は全身の健康にも繋がる
歯科医師は、無痛で美しい治療をすることを目指しています。しかし、それだけでなく、身体の健康にも着目しています。歯の治療を行うことで歯周病の予防にもなるため、全身の健康につながると考えられています。また、身体の疾患が原因の場合、歯科医師は患者の病歴や検査結果から判断し、適切な治療法を提供することができます。
定期的な検診で歯と身体の健康を守る
歯と身体の健康について理解した上で、歯科医院で定期的な検診を受けることが大切です。口の中だけでなく、全身の健康を考慮した診断と治療を行うことができます。予防と早期発見が大切なので、定期検診やブラッシング、フロスなどの普段のケアを行い、身体の健康を守りましょう。